


フィナステリドは、量を増やせば増やすほど効果が上がる薬ではありません。薄毛の進行度によって、選ぶべき対策も変わってきます。
この記事では、添付文書と論文を読み直したうえで、0.2mgをおすすめする理由・手に入りにくい現実・1mgを割って飲むことの是非を、発毛サロンを10年以上営む立場から解説します。
- 添付文書の標準量は0.2mg。1mgとの効果の差は4%で、統計的な有意差はなし
- 副作用は0.2mgならプラセボと同水準。性機能の副作用も1.5%
- 薄毛が軽度・副作用を抑えたいなら0.2mg、中程度以上・早く生やしたいなら1mg

今回の記事はYouTube「【結論】フィナステリド0.2mgと1mg。知らないと損する効果と副作用の真実とは?」を参考に作成しました。動画で内容を確認したい人は、こちらをご覧ください。
目次
そもそもフィナステリドはどんな薬?

フィナステリドは、商品名「プロペシア」として知られるAGA(男性型脱毛症)の治療薬です。
日本皮膚科学会のガイドラインでは内服が推奨度A(強く勧める)とされる、鉄板のAGA治療薬です。(参考:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版|日本皮膚科学会)
一方で、女性型脱毛症には推奨度D(行うべきではない)とされています。
男性ホルモンのテストステロンが5αリダクターゼという酵素で変換されると、薄毛の原因ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)ができます。
フィナステリドはこの5αリダクターゼの働きを抑え、テストステロンからDHTへの変換を防ぐ薬です。
期待できる効果は次のとおりです。
- AGAの進行を抑える
- 抜け毛が減る
- 髪が太く・密になる
- ヘアサイクルが正常化する
DHTと薄毛の関係は「抜け毛の原因はDHT?医薬品・天然成分を服用して薄毛対策をしよう!」でくわしく解説しています。
ここまでが前提で、ここからが本題の「何mg飲むか」です。
フィナステリド0.2mgをおすすめする3つの理由

フィナステリド0.2mgをおすすめできる理由は3つあり、根拠は製薬会社の添付文書と論文の数字だけです。
- 添付文書の標準量は0.2mg
- 0.2mgと1mgで効果に大きな差はない
- 副作用は0.2mgならプラセボと同水準
クリニックで1mgを出された方も、根拠の数字を知っておくと「自分の量」を自分で考えられるようになります。
1. 添付文書の標準量は0.2mg
あすか製薬のフィナステリド錠の添付文書には、用法及び用量がこう書かれています。
「男性成人には、通常、フィナステリドとして0.2mgを1日1回経口投与する。なお、必要に応じて適宜増量できるが、1日1mgを上限とする」(参考:フィナステリド錠0.2mg「SN」/1mg「SN」添付文書|あすか製薬)
つまり、製薬会社が想定する「標準」は0.2mgで、1mgは「必要に応じて増やせる上限」という位置づけです。1mgも承認された用量であり、規格外というわけではありません。
一方で、日本の病院やクリニックでは、かなりの確率で1mgが処方されているのが現状です。
さらに同じ添付文書には、「増量による効果の増強は、確認されていない」とも明記されています。
0.2mgから1mgに増やしても効果が上がるとは、製薬会社自身が確認していないのです。
今1mgを飲んでいる方は、自分がなぜ1mgなのかを処方医に一度聞いてみてください。

2. 0.2mgと1mgで効果に大きな差はない
効果のデータは、国内414名の試験(添付文書とAGA診療ガイドラインに掲載)と、海外249名の試験の2つです。
まず国内の試験は、24〜50歳の日本人男性AGA患者414例を対象にした48週間のプラセボ対照二重盲検比較試験です。
頭頂部の写真を7段階で判定し、「軽度改善以上」と判定された割合は0.2mgで54.2%(71/131例)、1mgで58.3%(77/132例)でした。生え際(M字)は判定の対象外です。

差はわずか4.1ポイントで、添付文書にも「実薬群間では統計的な有意差は認められなかった」と明記されています。
つまり4%の差は、統計的には「差がある」とは言えない大きさなのです。
プラセボ群の改善率は5.9%なので、0.2mgでもその約9倍にあたります。
次に海外の試験です。男性型脱毛症の男性249名に0.01〜5mgの5段階の用量またはプラセボを42日間投与し、頭皮のDHT濃度の低下率を調べた研究があります。
頭皮のDHT低下率は、プラセボ13.0%、0.01mgで14.9%、0.05mgで61.6%、0.2mgで56.5%、1mgで64.1%、5mgで69.4%でした。

0.05mg以上ではほぼ横ばいで、論文も「0.2mg/日という低用量でDHTは最大限に低下した」と結論づけています。(参考:フィナステリドの用量ごとに頭皮と血中のDHT低下率を調べた研究|J Am Acad Dermatol 1999)
ただし42日間の短い試験で、測っているのはDHTの低下であって発毛効果そのものではありません。「0.2mgで頭打ち」を示すデータとして読んでください。

目安は、薄毛が軽度(AGAの進行度を示すハミルトン・ノーウッド分類でIIまで)か副作用を抑えたい方は0.2mg、中程度以上(III以上)で早く生やしたい方は1mgです。
3. 副作用は0.2mgならプラセボと同水準
「0.2mgと1mgで副作用に違いはあるのか」は、いちばん気になるところでしょう。同じ414例の試験に、副作用の発現率も記録されています。
副作用(臨床検査値異常変動を含む)の発現割合は、0.2mg投与群で1.5%(2/137例)、1mg投与群で6.5%(9/139例)、プラセボ群で2.2%(3/138例)でした。(参考:フィナステリド錠0.2mg「SN」/1mg「SN」添付文書|あすか製薬)
0.2mgはプラセボ(偽薬)と同等どころか、数字の上ではプラセボを下回っているのです。
性機能に関する副作用も、0.2mgで1.5%、1mgで2.9%、プラセボで2.2%でした。わずかな例数の差なので「0.2mgなら起きない」とまでは言えませんが、プラセボと変わらない水準といえます。
ただし、これは日本人男性414例・48週間の数字であり、副作用の出方は体質によって変わります。
効果を期待しつつ、副作用のリスクも抑えられる。これが、0.2mgをおすすめする3つ目の理由です。
副作用の種類や注意点そのものは「AGA治療薬フィナステリドの副作用と注意点について解説」で解説しています。

【事実】0.2mgを処方してくれるクリニックは少ない

ここまで読んで「じゃあ0.2mgを飲もう」と思った方は、少し待ってください。実は、0.2mgを処方しているクリニックは限られています。

初診の前に「0.2mgの取り扱いがあるか」を、電話や問い合わせフォームで確認しておいてください。
気になる費用の面ですが、価格は0.2mgも1mgもあまり変わらないところが多いようです。
原価がほぼ同じためのようで、相場は月3,000〜5,000円程度が中心です。いずれも動画リサーチ時点の情報で、価格は変わることがあります。
リサーチ時点では、個人輸入(海外通販)でもフィナステリド0.2mgは販売されていませんでした。

飲む以外の選択肢や購入方法は「【外用薬vs内服薬】フィナステリドは飲む?塗る?効果の違いや購入方法まで徹底比較!」で解説しています。
では、なかなか0.2mgが手に入らない方はどうすればいいのでしょうか。
1mgを割って飲むのはおすすめできない2つの理由

0.2mgが手に入らないとき、ネット上には「1mgの錠剤をピルカッターで割って飲む」という方法が出回っています。ただし、この方法はおすすめできません。
- 添付文書は「分割・粉砕しないこと」と明記している
- 割ったときのリスク!女性が触れる・承認用量にない
一生付き合う薬だからこそ、「割ってもいいのか」の答えは添付文書の言葉で確認しておいてください。
1. 添付文書は「分割・粉砕しないこと」と明記している
添付文書には「本剤を分割・粉砕しないこと」という記載が2か所にあります。
理由として挙げられているのは、品質の問題ではありません。「本剤が粉砕・破損した場合、妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳中の女性は取扱わないこと」という、有効成分への接触リスクです。
割れたり砕けたりしない限り、通常の取り扱いで有効成分に触れることはない、とも書かれています。

では、なぜ割る人がいるのでしょうか。1mgの錠剤を半分に割れば0.5mgで2日分、4分の1なら0.25mgで4日分になる、という計算からです。
ただし添付文書には、0.5mgや0.25mgという承認された用量は存在しません。
2. 割ったときのリスク!女性が触れる・承認用量にない
割ることで生じるリスクは、大きく3つあります。
- 粉砕・破損した錠剤に、妊婦・妊娠している可能性のある女性・授乳中の女性が触れてはいけない
- 0.5mg・0.25mgは承認された用量ではなく、その量での効果・安全性のデータがない
- コーティングが剥がれて品質が落ちやすいとも言われている
1つ目について、割ったときの粉が机に残ったり保管中にこぼれたりするのは、家庭では珍しくありません。

2つ目について、48週の試験で確かめられているのは0.2mgと1mgだけで、割った0.5mgのデータはありません。
3つ目の品質低下は添付文書に記載がなく、「〜とも言われている」にとどまる話です。

ネットには「海外でも分割を推奨する情報が多い」「分割で生えた口コミもある」という声もありますが、添付文書どおりの飲み方ではなく、承認された用量でもありません。
0.2mgが欲しいなら、割って調整するのではなく、次の順で動いてください。
- 0.2mgを扱っているクリニックを探し、事前に問い合わせる
- すでに通院中なら、処方医に0.2mgへの変更を相談する
- それでも難しければ、1mgを医師の指示どおりに飲む
1mgは承認された上限用量なので、飲むこと自体は間違いではありません。最後は他の情報も調べたうえで、ご自身で判断してください。

薄毛改善ロードマップで見るフィナステリドの位置づけ

フィナステリドは、薄毛改善ロードマップの中でどこに位置するのでしょうか。ロードマップは「頭皮環境を整える」「少しずつ薬を使う」の2つのステップで進みます。
0.2mgか1mgかを決める前に、今の自分がどのステップにいるのかを確認しておくと、遠回りせずに済みます。
1. 生えやすい頭皮環境を整える
ステップ1は、髪が生えやすい頭皮環境を整えることです。柱は次の2つです。
- ヘアケア:アミノ酸系シャンプー・洗い方・頭皮マッサージ・ヘナ・スタイリング剤の見直し
- 生活習慣:睡眠・食生活・ストレス・日焼け・タバコ
発毛サロンに通う場合はここを一緒に進め、通わない場合は自分で整えてからステップ2に進みます。
薬の量を考える前に、まずは土台の頭皮を整えることから始めてください。

2. 塗りミノから少しずつ薬を使う
ステップ2では、少しずつ薬を使っていきます。男性の順番は次のとおりです。
- ミノキシジルの塗り薬(塗りミノ)
- フィナステリド
- ミノキシジルの飲み薬(ミノタブ)
- 隠す・受け入れる
女性の場合は、塗りミノ、ミノタブ、隠す・受け入れるの3段階です。
まずは塗りミノから始め、抜け毛が多い方はフィナステリドも選択肢に入ります。
フィナステリドはロードマップのステップ2の2番目にあり、この記事が扱ってきたのはその中の「量の選び方」です。
AGAは進行性なので、一度飲み始めたら飲み続ける必要があります。だからこそ、最初の量は慎重に選んでください。
くわしくは「【本音】フィナステリドだけで生える人、ミノキシジル併用が必要な人の違い」で解説しています。

【まとめ】自分に合った量を選んで、安心して最初の一歩を踏み出そう

薄毛の情報は世にあふれていて、何が正しいのかわからなくなる方も多いはずです。ただ、添付文書と論文という一次情報に当たれば、判断の軸は自分の中に作れます。
数字の根拠を知った今なら、0.2mgと1mgのどちらを選んでも「言われるまま」ではなく、自分で納得して選べるはずです。
フィナステリドは有力な選択肢ですが、副作用のリスクや長く飲み続けることを思うと、不安になるのは当然です。その不安ごと相談できる場所があれば、最初の一歩は軽くなります。
「今の自分に薬は必要な段階なのかな?」と迷っている方は、一度当店のお試し体験で頭皮の状態を見てみてください。ロードマップのどのステップにいるのかがはっきりすれば、量の選び方も自然に決まります。


・お試し体験:120分 6,600円
下記よりお気軽にお申込みください。
スーパースカルプ発毛センター寝屋川枚方店
住所:大阪府寝屋川市香里南之町27-30 長楽ビル604号室
TEL:072-833-9696(電話受付時間 9:00~19:00)
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