

抜け毛や薄毛が気になり始めると、「自分でできる対策はないかな」と感じる方も多いのではないでしょうか。
育毛のツボ押しは、道具を使わず、自宅でも気軽に始めやすいケアのひとつです。
ただし、ツボを押せば薄毛が改善するという単純なものではありません。
髪の健康には、頭皮の血流、首や肩のこり、睡眠、ストレス、生活習慣などが関係しています。
ツボ押しは、その土台を整えるための補助的なケアとして考えることが大切です。
この記事では、育毛とツボの関係、代表的なツボの場所、正しい押し方、注意点についてわかりやすく解説します。
目次
育毛とツボの関係性とは?

古くから東洋医学では、体の中を【気血】というエネルギーのようなものが巡り、体の調子を整えていると考えられています。
この気血の通り道を「経絡」と呼び、その流れが滞りやすい場所が「ツボ」です。
経絡は全身にあり、ツボも頭だけでなく、手や足など体のさまざまな場所にあります。
ツボをやさしく刺激することで、体の巡りを整えたり、気になる部分の不調をやわらげたりするサポートになると考えられています。
眼精疲労や胃腸、肝臓に関係するツボを聞いたことがある方もいると思いますが、髪や頭皮の健康に関係するとされるツボもあります。
ただし、ツボ押しだけで薄毛が改善するわけではありません。
頭皮の血流やストレスケアをサポートするセルフケアのひとつとして取り入れることが大切です。


育毛ケアに取り入れたい頭・手・足のツボ

育毛に関係するとされるツボを刺激することで、頭皮の血流や体の巡りをサポートできます。
血液は、髪に必要な酸素や栄養を運ぶ大切な役割があります。
そのため、頭皮の巡りを整えることは、髪が育ちやすい環境づくりにもつながります。
また、ツボ押しは自律神経のバランスやリラックスをサポートするセルフケアとしても取り入れやすい方法です。
ここでは、頭・手・足に分けて、育毛ケアに取り入れやすいツボを紹介します。
頭の育毛ツボ
①百会(ひゃくえ)
場所:左右の耳を結んだ線と、顔の中心線が交わる頭頂部にあります
期待できるサポート:頭皮の血流、肩こり、眼精疲労、自律神経のバランスを整えるサポート
育毛ケアのポイント:頭の中心にあるため、頭皮全体の巡りを意識したい方におすすめのツボです
押し方:指の腹で3〜5秒ほど、気持ちいいと感じる強さでゆっくり押しましょう
②通天(つうてん)
場所:百会から左右に少しずれたあたりにあります
期待できるサポート:頭皮の巡り、頭の重だるさ、円形脱毛が気になる方のセルフケア
育毛ケアのポイント:頭頂部まわりの血流を意識したい方におすすめ
押し方:両手の指を使い、左右同時にやさしく押しましょう
③上星(じょうせい)
場所:髪の生え際から2cmほど上にあります。
期待できるサポート:鼻づまり、頭の重さ、抜け毛予防のセルフケア。
育毛ケアのポイント:生え際まわりが気になる方に取り入れやすいツボです。
押し方:強くこすらず、指の腹でゆっくり押しましょう。
④風地(ふうち)
場所:後ろ髪の生え際にある、左右のくぼみにあります。

期待できるサポート:首こり、肩こり、眼精疲労、頭皮の巡りのサポート。
育毛ケアのポイント:首や肩がこりやすい方、目をよく使う方におすすめです。
押し方:親指をくぼみに当て、頭を支えるようにしてやさしく押しましょう。
⑤天柱(てんちゅう)
場所:襟足の生え際にある太い筋肉の外側のくぼみにあります。
期待できるサポート:頭皮の血流、疲労感、ストレス、首や肩のこりのサポート。
育毛ケアのポイント:首のこりから頭皮の硬さを感じる方におすすめです。
押し方:親指でゆっくり押し、痛すぎない強さで刺激しましょう。
⑥あ門(あもん)
場所:うなじの中央、髪の生え際から2cmほど上にあります。
期待できるサポート:頭の重さ、首のこり、睡眠の質を整えるサポート。
育毛ケアのポイント:ストレスや不眠が気になる方のセルフケアとして取り入れやすいツボです。
押し方:首の中央にあるため、強く押しすぎず、やさしく短時間で行いましょう。
⑦完骨(かんこつ)
場所:耳たぶの後ろにある、とがった骨の後ろのくぼみにあります。
期待できるサポート:血流、頭痛、肩こり、首まわりの巡りのサポート。
育毛ケアのポイント:耳まわりから後頭部にかけてのこりが気になる方におすすめです。
押し方:指の腹で円を描くように、ゆっくり刺激しましょう。
⑧角孫(かくそん)
場所:耳の上の髪の生え際あたりにあります。
期待できるサポート:頭皮の血流、抜け毛予防、耳鳴りやめまいが気になる方のセルフケア。
育毛ケアのポイント:側頭部のこりや、頭皮の硬さが気になる方におすすめです。
押し方:耳の上を軽く押さえ、痛みが出ない強さでやさしく刺激しましょう。
手の育毛ツボ
①合谷(ごうこく)
場所: 親指と人差し指の骨が交わるあたりにあります。
期待できるサポート: 頭皮トラブル、頭痛、目の疲れ、体の巡りを整えるサポート。
育毛ケアのポイント: ストレスや目の疲れを感じやすい方におすすめのツボです。
押し方: 反対の手の親指で、気持ちいいと感じる強さでゆっくり押しましょう。
②腎穴(じんけつ)
場所: 手のひら側にある、小指の第一関節の中央あたりにあります。
期待できるサポート: ホルモンバランス、髪のツヤ、白髪が気になる方のセルフケア。
育毛ケアのポイント: 年齢による髪の変化が気になる方に取り入れやすいツボです。
押し方: 小指を反対の手で支えながら、関節部分をやさしく押しましょう。
③陽池(ようち)
場所: 手首を反らせたときにできるシワの中央あたりにあります。
期待できるサポート: 冷え、自律神経のバランス、抜け毛予防のセルフケア。
育毛ケアのポイント: 手足の冷えや、ストレスによる体のこわばりが気になる方におすすめです。
押し方: 反対の親指で手首の中央をゆっくり押し、痛みが出ない強さで刺激しましょう。
足の育毛ツボ
足のツボは、全身の巡りや冷えが気になる方におすすめです。
お風呂上がりや寝る前に行うと、リラックスしながら続けやすくなります。
①三陰交(さんいんこう)
場所: 足の内側のくるぶしから、指4本分ほど上にあります。
骨と筋肉の境目あたりを目安にしましょう。
期待できるサポート: 冷え、胃腸の調子、女性特有の悩み、抜け毛予防のセルフケア。
育毛ケアのポイント: 冷えや巡りの悪さが気になる方、とくに女性のセルフケアに取り入れやすいツボです。
押し方: 親指でゆっくり押し、痛気持ちいいくらいの強さで刺激しましょう。
※妊娠中の方は刺激を避ける、または医師に相談してください。
②湧泉(ゆうせん)
場所: 足裏の中心より少し上にあります。
足の指を曲げたときにできるくぼみが目安です。
期待できるサポート: 血流、ストレス、むくみ、胃の不調、肌荒れのセルフケア。
育毛ケアのポイント: 疲れがたまりやすい方や、体全体の巡りを整えたい方におすすめです。
押し方: 両手の親指で足裏を包むようにして、ゆっくり押しましょう。
③足の親指
場所: 足の親指の中央あたりです。
足の親指は、頭部に関係するとされる反射区といわれています。
期待できるサポート: 頭部の巡り、リラックス、足先の血流を整えるサポート。
育毛ケアのポイント: 頭の重さや疲れを感じる方に、足裏ケアとして取り入れやすい場所です。
押し方: 親指全体をもみほぐすように、ゆっくり刺激しましょう。
育毛ツボの探し方と押すときの注意点

育毛に関係するとされるツボは、目で見てはっきり分かるものではありません。
まずは、紹介したツボの場所を目安にして、その周辺を指の腹でやさしく押してみましょう。
少しくぼんでいる場所や、まわりとは違う感覚がある場所がツボの目安です。
押したときに「痛気持ちいい」と感じる場所は、体の巡りが滞っているサインと考えられることもあります。
ただし、強い痛みを我慢して押す必要はありません。
痛すぎる刺激は、かえって頭皮や体に負担になる場合があります。
気持ちいいと感じるくらいの強さで、ゆっくり刺激することが大切です。
育毛のツボ押しの際に気をつけること
手軽にできるツボ押しですが、やり方やタイミングを間違えると、体に負担がかかる場合があります。
次のようなときは無理に行わないようにしましょう。
・強すぎる力で押す
・食事の前後1時間
・入浴の直前、直後
・飲酒しているとき
・妊娠中や出産直後
・高熱など体調が悪いとき
・重度の高血圧や持病がある場合

育毛にはツボとマッサージで効果絶大

育毛ケアを行うなら、ツボ押しだけでなく頭皮マッサージも一緒に取り入れるのがおすすめです。
ツボ押しで気になるポイントを刺激し、頭皮マッサージで頭皮全体をやわらかくほぐすことで、血流や巡りをサポートしやすくなります。
頭皮が硬くなっていると、髪に必要な栄養が届きにくくなることがあります。
そのため、毎日のケアとして頭皮をやさしく動かし、こわばりをゆるめることが大切です。
また、頭皮への適度な刺激が髪の健康に関係するという研究もあります。
ただし、強くこすったり、爪を立てたりすると、頭皮に負担がかかり逆効果になる場合があります。
ツボ押しもマッサージも、「強く押せばよい」というものではありません。
気持ちいいと感じるくらいの力で、やさしく続けましょう。
正しい育毛マッサージ法
育毛マッサージでは、頭皮と指の間に摩擦が起きないようにすることが大切です。
指を頭皮に密着させたまま、頭皮そのものをゆっくり動かすようにほぐしていきます。
指の腹だけでなでるのではなく、指頭を使いましょう。
押す強さは、「痛気持ちいい」と感じるくらいが目安です。
⇩
②側頭部も下から上に向かってほぐす
⇩
③最後に頭頂部をやさしくほぐす
首や肩がこりやすい方は、後頭部から始めると頭皮全体がゆるみやすくなります。
入浴中やお風呂上がりなど、体が温まっているタイミングで行うと続けやすいです。
育毛マッサージの際に気をつけること
育毛マッサージは手軽にできますが、やり方を間違えると頭皮に負担がかかることがあります。
次のポイントに注意しましょう。
・爪を立てない
・強く押しすぎない
・頭皮と指をこすらない
・長時間やりすぎない
・痛みや赤みがある日は無理に行わない
爪を立てると、頭皮に細かい傷がつき、炎症につながることがあります。
また、強すぎるマッサージは頭皮への刺激が大きく、抜け毛の原因になる可能性もあります。
さらに、指でゴシゴシこすると、せっかく生えてきた細い新毛に負担がかかることがあります。
ツボ押しと同じく、頭皮マッサージもやさしく短時間で続けることが大切です。
詳しいやり方は、こちらの記事も参考にしてください。
ツボ押しで髪と体のアンチエイジングケア

紹介した育毛のツボは、抜け毛予防など髪のケアだけでなく、美容や健康のサポートにもつながります。
男女問わず、肌の調子や体型、髪のツヤが気になる方は多いのではないでしょうか。
年齢を重ねることは自然なことですが、「もう歳だから」と何もしないでいると、見た目や体の変化を感じやすくなることもあります。
ツボ押しは、気になる部分をやさしく刺激しながら、血流や体の巡りを整えるセルフケアのひとつです。
血液は、髪や肌、臓器に酸素や栄養を届けるだけでなく、老廃物を回収する役割もあります。
そのため、巡りが悪い状態が続くと、髪や肌に必要な栄養が届きにくくなり、むくみや不調、頭皮環境の乱れにつながる可能性があります。

ツボ押しで予防しながら、根本的な薄毛対策も考えましょう

ツボ押しは、頭皮の血流やリラックスをサポートするセルフケアとして取り入れやすい方法です。
ただし、ツボ押しだけで薄毛が改善するとは言えません。
日本皮膚科学会の男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインでも、標準的な治療法としてツボ押しは推奨項目に入っていません。
つまり、ツボ押しは「治すための方法」ではなく、あくまで予防や補助のケアとして考えることが大切です。

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